倒産に直面している
2023年09月01日

倒産危機に直面する会社の株について(才藤 投稿)

会社は株主のものか?

 経営危機に陥るとまずは資金繰りで頭を悩ませる。そこで会社の資産状況も現実的に把握するようになり、不動産や動産の市場価値はいくらで換金したらどうなるか、借入が無理な場合は売却し運転資金を確保するなどただでさえ本業で忙しいなかでの作業なので極めて忙しくなる。

資産の中には株がある。誰が株主か社長本人だけ場合もあれば、資本提供してもたった実質のオーナーが全ての株を保有している場合もあるだろう。

後者の場合、この社長はいわゆる雇われ社長という立場になる。

※会社のオーナーに雇われている代表取締役の肩書を持って経営を取り仕切る立場であるが、雇われているという点では社員と同様で役員報酬として対価を受け取っている。失業保険や時間外就労などの適用もない点は社員とは違う。

 さて、仮に社長が単独で倒産処理を進めようとする。しかし、株主がその事実を知ればXデーの当日に株主から社長が解任されることもあり得る。

※事前に株主について情報の提供がなかったため対策のとりようがなくなることも。

 株主との人間関係にもよるが、株についてどうするか適切な時期に事前に協議をしておくことは必須となるだろう。業績の回復が見込まれないので早々に株を買い取るか、そのままでいいのか、紙切れになろうがどうでもいいという話になるのか、経験上から言えるのは当事者間で話し合う方法が最も好ましいと思われる。

いずれにしても、この協議のタイミング、株をどう処理するか、詐害行為や偏波弁済等に抵触しないかなど極めてデリケートな問題なので細心の注意を払う必要があるだろう。

 ここで言いたいのは社長の意思だけでは法人の破産が出来ない場合もあるということだ。こうなると、そもそもXデーを決められない、会社資金にも手を付けられない(再起するための余力が残せない)、代理人も本人の意向で決められない、などコントロール不能なのである。

依頼人の利益を最大限化というのは極めて困難となる。

裁判所からは運用上では法人と個人の破産はセットで行うよう促されるのが通例であるから、個人だけの破産を進めることが難しくなる。不利益になることだらけなのだ。

 会社とは誰のものか(事)と考えることがある。

答えは一つではないことは確かで多様な要素を持ち合わせているだろう。民間とはいえ公共性があり、国に代わって雇用を創出して税金を支払う責務を負わされている、社長なのか株主の利益のためもの、、、正直よく分からない。

経営危機に直面すると知らないでは済まされない現実に嫌でも直面しなければならい。

少なくとも事前に知っておけば、話してくれたなら事前に対策を立てることができるのだ。

当事者の認識では問題視しないことが実は大きな問題であることは多々ある。

どうか客観的な多角的な視点をもって経営危機と対峙していただきたい。

倒産を甘く見ないでほしいと切に思うのだ。

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