小規模零細企業経営者の試み
2021年01月24日

絶対に倒産しない(倒産させない)方法はあるのか?

「絶対に倒産させない」コンサルティングがあるそうですが・・・

〝絶対倒産させない〝
〝絶対に倒産しない方法がある〝

というアプローチをしている
経営コンサルタントがいるそうです。

果たしてそのようなことがありえるのでしょうか?

そもそも「倒産」とは、

「資金がなくなり、債務(支払い先借入れ先)を残して事業を停止すること」です。

経営状態の悪化が一定のレベルを超えると、倒産を回避できなくなります。
その段階になると、債務(買掛金、未払金、借入金)がどんどん膨れ上がりますから、
毎月それらの支払いや返済や利払いに追われることになります。

すなわち資金不足、俗にいう〝資金ショート〝の状態です。

そのような経営状態でも、

はたして事業を継続させることは可能なのでしょうか?

資金ショートでも事業継続できる方法があるとすれば?


もしあるならば、方法は2つです。

1つは”支払い回避”


しかし、果たして債権者が納得・同意するのでしょうか?
通常、そんな債権者はなかなか存在しません。

もう1つは〝資金調達”


では、
どこからその資金を調達するのでしょうか?
いったい誰が資金を提供するのでしょうか?

もちろん、
代表者個人やその家族、あるいは友人知人や親、一族が
会社を救いたい一心で資金を提供し続けることはありえます。

が、資産が無尽蔵にあるわけではありませんから、
やはりどこかで続かなくなり破綻することになります。

このような場合の破綻処理は、
凄惨を極めることになります。

実際、ある地方都市で起きた例です。
経営者である本家の依頼を受けて、分家の一族郎党のほとんどが
連帯保証や抵当権の提供をした挙句に、
会社が倒産し、8人の破産者(個人の破産者)を出したことがありました。

あるいは急激な売上増で資金調達できる可能性もゼロではありません。
突然の電話で大きな発注がある、とか、
今まで売れなかったものが突然売れ始める等です。

が、今までそれがなかったために
経営危機に陥ったわけですから、
やはりあり得ないことだと思うしかありません。

やはり、絶対倒産しない方法は、ない

やはり、経営者が手の打てる策が尽き、
資金ショートに陥った状態では、
支払回避、資金調達は無理で、
倒産は避けられなくなります。

よって、
〝絶対倒産させない〝、あるいは〝絶対に倒産しない〝方法は、
この世に存在しないと思います。

事業経営はマジックでも、超常現象でもありません。
現実を直視せず、
“願えば叶う”などという間違ったポジティブ・シンキングで
破綻していく経営者は後を絶たないのです。

もし、絶対に倒産しない方法があるというのであれば、ぜひ聞かせていただきたいものです。
それがあれば、世の中から倒産は一切なくなるのですから。

地に足を付けて、しっかりと現実を見つめることが最も大切です。

経営が危うくなってきたら、
早めに経営状態を正確に把握し、
倒産がやむを得ない場合は、できるだけ影響を最小化できる処置をすることが肝要だと思います。

(初出:2012年12月1日  修正:2021年1月24日)

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