経営危機コンサルタントの対応内容と費用
経営危機コンサルタント・内藤明亜のブログです。
経営危機状態にある経営者にとって、わたしのような「経営危機コンサルタントに相談したら費用はいくらかかるのか」「どんなふうに相談に乗ってくれるのか」は、ご相談に来られる上でたいへん気になる問題でしょう。
以下、当事務所の「相談料」や「倒産問題を解決するための委任費用」、そして「ご相談時の対応内容」について記します。
他のコンサルタントは、当事務所より高額らしい
結論からお伝えしましょう。
当事務所は下記のような費用設定をしています。
①経営危機に関する[相談料] 33,000円 (税込)
・一回三時間以内、東京の当事務所で行う場合、
・一回三時間以内、オンラインによる打合せの場合、(税込)②「倒産対応」や「倒産回避対応」をお受けする際の[委任費用] 110,000〜550,000円(税込)
・この委任費用は、規模、難易度、作業量、時間などによって変動。
・申立て代理人の確保、破産申立て、個人の破産の免責を得るまで。
・多くは、法人の財産や個人の財産を自由財産の限界以上に確保する。
・今までで、一番多いのは[330,000円]。※ 第一回の決算書を拝見するまでの[電話相談]は[無償]
・地方都市の依頼人とのオンライン相談の場合は、見ず知らずのわたしに決算書をお送りいただくのは抵抗があることのようで、その場合は、 決算書をお送りいただく前に無償の電話相談をすることになりました。
・そこで信頼関係が認められた場合には、決算書をお送りいただいて、有償の①の経営危機に関する[相談]に移行することが多いです。
この金額が高いのか安いのかは分かりませんが、先日、経営危機相談にいらした経営者は以下のようにおっしゃっていました。
「弁護士や倒産関連のコンサルタントの無料相談に何回か行ったことがあるが、一回目の相談では満足な答えが聞けたことがありませんでした」
「有料会員になったり、何回か通ったりするように誘導され、お金をつぎ込んではじめてようやく核心に触れる話が聞けたんです」
「内藤さんは相談費用を明示されているので、安心でした。そしてその費用に見合った成果があると思ってうかがいました」
実は、わたしと同じような活動をされている方(倒産問題のコンサルタント)とは接点もありませんし、情報交換もしたことがありませんので、“同業者”のことは全くわかってはいません。
この経営者のように経営危機相談の場で話を聞かされることが時々あるだけです。
倒産相談は、弁護士事務所に行くことが常道
倒産が避けられないときの相談相手として、経営者の頭にまっさきに浮かぶのは弁護士であることは、ごく普通のことでしょう。
なぜなら、破産申立ての代理人は弁護士でなければなれないからです。
しかし、弁護士は【破産申立ての専門家】ではあっても、【事業経営の専門家】ではないのも事実です。
一方わたしには倒産経験があり、その後、自らの倒産経験をもとに本を書きました(『倒産するとこうなる』明日香出版社)。
その反響から「経営危機コンサルタント」として再起したのですが、それ以来、25年以上、950件以上の倒産・経営危機相談に対応してきましたので、倒産危機に瀕している経営者の苦しい思いは痛いほど理解できています。
弁護士にはそこのところが実感として分からないのは無理もありません。
そのためか、当事務所に相談に来られる方の半分以上が一度弁護士事務所に相談に行かれた方です。
その弁護士事務所で、「こうしたい」という希望が砕かれた方です
まず信頼関係を築きあげこと。第一回の決算書を拝見するまでの[電話相談]の対応
新型コロナの発生前は、第一回の相談は東京新宿の当事務所を決算書などを持参のうえお訪ねいただいての相談が原則でした。
スピーディに対応するためには、それが一番効率的だったのです。
その場で委任をいただく場合を除いて、相談のあとには決算書をお返ししました。
ところが、新型コロナの発生後は、東京新宿の事務所に来ていただくことのハードルがとても高くなってしまいした。
一時は、東京新宿は新型コロナが集中しているなどといううわさもありました。
ところが、有効な経営相談には決算書などの財務資料を拝見することは避けられないのですが、オンラインの初対面でまったく信頼関係が築かれていない見ず知らずのわたしに決算書をお送りいただくことは、わたしにも相当な抵抗がありました。
そこで、第一回の相談の前に、無償での電話相談を設けることになったのです。
具体的な内容は、
① まず、現状の経営財務状態をうかがいます
② どうされたいかの希望、方向性をうかがいます
③ そうした情報から、わたしの方で“このままいくとどうなるか”についてお話をすることになります
④ “倒産”という言葉は聞きたくもないでしょうが、ほとんどはその話になります
⑤ 当事務所には、なにができるか、をお話しします
⑥ ほとんどの方が心配されている、[計画倒産]、[詐害行為(さがいこうい)]、[偏頗弁済(へんぱべんさい)]について説明します
⑦ 当事務所が対応した950件以上のケースのうち、依頼人の近似値がどのような決着を見たかの話をします
⑧ さらには、第二会社や個人事業での、“事業の継続”の可能性について
⑨ 弁護士の確保とその費用、さらには少額管財の実現についても説明します
⑨ 倒産後の生活設計などにも触れます
⑩ 決算書を見ていないので、具体的な財務状態が判らないので、おおよそ一般論的な話が多くなります
こうした話をして、信頼関係を築けると決算書などの財務資料などをお送りいただいて、具体的な相談に移行します。
この段階で信頼関係が築けるかどうか、今まで築けなかったことはありませんでしたが、依頼人の方は不安だろうと思います。
この段階の相談料は、無償です。
倒産危機に瀕した苦しい経営者の胸のうちと、当事務所の初回面談(オンライン相談)時の対応
「経営者の苦しい思い」にはいろいろありますが、最大公約数的な特徴として以下のものが挙げられます。
① 経営危機相談をする相手がいない
② 今、陥っている経営危機がリカバリーできるかどうかが判断できない
③ どのような選択の余地があるのか、わからない
④ “倒産”という言葉は聞きたくもない
⑤ 倒産後に、会社が、事業が、社員や役員が、取引先がどうなるかがわからない
⑥ 倒産後に、家族が、自分が、不動産などの財産がどうなるかわからない。
⑦ 不安で孤独で、心理的に切迫している
⑧ 経済的にも逼迫している
⑨ 債権者に直接対応することはできたら避けたい
⑩ この先どうして生きていけばよいのかわからない
当事務所では、初回相談時にこうした経営者の気持ちや現状をじっくり伺い、経営者からの質問にお答えするだけで、半分以上の時間を費やします。
これはなかなか弁護士にできることではないと思います。
経営者のその苦しい思いは、経験者でなければ分からないと思うからです。
言い古された言葉かもしれませんが、経営者は孤独です。
ですから、自分の会社の危機や自分の苦しい気持ちを、安心して吐露できる相手はなかなかいません。
過去の相談者の中には、「こうやってお話しできて、肩の荷が半分下りた気がします」とおっしゃった方もいました。
さらに、初回相談の場では、次に何をすべきかの指針を導き出すようにしています。
① 現在おかれている状態を理解していただき
② いくつかの選択肢を示し、そのうちの最も望ましい選択肢は何かを選び出し
③ 関係者への影響も全て理解していただき
④ いつまでに何をすべきかの行動指針を明らかにして
⑤ 次のステップに移行するための費用を確認し
⑥ その先の世界が想定できるようにする
これもなかなか初対面の弁護士にはできないことです。
わたし自身が倒産経験者で、950件以上の経営危機相談の対応をしてきたからこそ、経営者はわたしがご提示する指針に納得していただけるのだと思います。
ここまでお伝えしたことを初回面談の場で行います。
(時間的費用的余力のある方の場合、2回目の面談で今後の指針をお話しすることもあります)
そのための相談料として、33,000円(消費税込)をいただいています。
(これはわたしが経営危機コンサルタントとして活動しはじめた時に、弁護士や税理士や経営コンサルタントなどと相談して決めたものです)
その費用を投じても欲しいものが手に入ると思われる方が、ご相談にいらっしゃることになります。
「倒産処理対応」や「倒産回避対応」を受任する際の費用
倒産を決意された場合であれ、倒産回避の方針に決まった場合であれ、初回面談時にお示しした「今後の指針」に基づき、当事務所がその対応を受任する場合は、
110,000円〜550,000円(消費税込)の費用がかかります。
最も多いケースは、330,000円、約六か月です。
費用に幅があるのは、案件の難易度によって上下するからです。
また、案件を受任した場合であっても、わたしとの面談を必要とされる場合は、その都度、相談料 33,000円 を申し受けています。
相談の都度、相談料をいただくのには理由があります。
以前、倒産処理対応を委任された方の中に、毎日のように相談に来られる方がいらしたのですが、そうなるとわたし自身の対応が困難となるため、面談の際は相談料の設定をしています。
もちろん、メールでのやり取りや10分程度の電話対応でしたら委任費用内で対応いたします。
(蛇足ですが、倒産処理等に弁護士が必要な場合の弁護士費用は別途発生します)
逡巡する間に経営状態は悪化することが多い
当事務所に相談に来られる方は、およそ二つに分かれるようです。
(A)欲しい情報や結果が手に入ると即断して、すぐに相談に来られる方
(B)何回も迷い、逡巡し、時間をかけた上で来られる方
後者の(B)のパターンの方は、そうやって迷っている間に会社の経営状態(財務状態)をより悪化させてしまうことがよくあります。
今までの相談者の中には、「相談に来るまで3年もかかりました」とおっしゃる方もいました。「その間、何回内藤さんのホームページを見たか分かりません」とも。
実に惜しい、悔しいことだと思わずにいられません。
なぜなら、当事務所のホームページは、「経営危機にある経営者が十分に読み込めば、身近な弁護士の力を借りながら倒産処理ができる」ほどの情報量があるのですが、書かれていることはあくまで一般論でしかありません。
実際には、債務の状況、不動産など財産の状況、経営者の考え方などによって、【100の経営危機(倒産)があれば100の決着がある】のですから、何をすべきかの行動指針は経営者ごとに異なるからです。
しかも、ホームページには書けないことも少なからずあります。
それは個別の経営危機相談の場で、必要な情報をお伝えするようにしています。
経営危機に陥りどうしてよいか分からずに逡巡されている方、あるいは弁護士やコンサルタントに相談したが満足のいく答えが得られなかった方が、ご相談に来られることがよくあります。
そういう方が、納得し安心され、さらに希望も見出して、胸は張れないまでも下を向かなくてもよいとの思いでお帰りになる姿を見るのは、わたしにとって大きなよろこびなのです。
(初出:2012年12月24日、最終修正2022年3月8日)
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