倒産の実態
2023年03月31日

経営危機を突破する二つの道 【改定】

2022経営危機とは、倒産の危機。事業の継続ができなくなった状態を指す。

その初期段階は;

・シクミ -事業モデルの問題(売上・利益が上げられなくて事業が立ちいかなくなる)
・ヒト  -人材の問題(有能・有効な人材がいなくて事業がスタックする状態)
・カネ  -事業資金の問題(債権超過で事業が推進できなくなる)

の問題が多いが、これらの二つ以上が重なる最終段階は、おおよそ[カネ]の問題に収斂される。
支払わなければならない債務および、返済しなければならない債務に対して、資金不足で支払えない(返済できない)。

そのような経営危機状態にあってのブレイク・スルーの方法は二つしかない。

[A] 利益を生む[シクミ]に改善しながら、時間をかけて債務超過を解消していく
[B] 債務超過に陥った会社をあきらめて、新たな事業体で売上利益を生む[シクミ]を展開する。

[A]の場合、例えば3,000万円の借入金があったとする(借入利息は3.00%とする)。
3,000万円の年間利息は90万円。月次では75,000円。元金を毎月50万円返済すると、60か月。
五年間かかる。
これらの元金と利息を返済できるだけの利益があればよいが、なければさらなる経営危機が訪れることになる。

[B]の場合は、[A]のような元金返済と利息支払いから解放されるのだから、資金繰りはずいぶんと楽になる。
もちろんこの選択をするには、元の会社の破綻処理と新たな事業体(個人事業でも第二会社でも)の設立を乗り越えていかなければならないのだから、それなりに苦難の道ではあるが資金繰り的には、改善された状態が手に入る。

わたしは経営危機相談に対してはほとんどの場合[B]の道を提案している。
産業によってはそれができない環境の場合もあって、涙を飲むこともあるのだが、経営危機のブレーク・スルーには有効な方法だととらえている。
事実、そうしてサバイバルした会社はたくさんあるのだ。

しかし、一般的には抵抗が多いのも知っている。
きわめて日本人的な倫理観では「借りた金は返すのが当たり前だ」というロジックに支配されているので、賛成していただけない場合があるのも事実だ。

だが[B]の道を選択せずに[A]の道を選択してさらなる経営危機に陥ってしまうと、何の準備もできないままに倒産してしまうことが多いのが現実なのだ。

これは、以下のように整理できる。

◆【切迫倒産】最後までがんばるタイプ(希望の少ない倒産)
◆【予知倒産】少し早めに諦めるタイプ(可能性の残る倒産)

【切迫倒産】とは
倒産とは、債権者を残して事業を停止すること。
その倒産に際して、
・時間がなく
・処理費用もなく
・次のステップへの準備もできていない
ような状態を【切迫倒産】と呼ぶ。

【予知倒産とは】
倒産とは、債権者を残して事業を停止すること。
その倒産に際して、
・時間敵に余裕があり
・処理費用もある程度あり
・次のステップへの準備もできている
ような状態を【予知倒産】と呼ぶ。

【切迫倒産】になるまでがんばると「借りた金を返すのが当たり前だ」という信念を実現させることができないまま、被害を大きくして倒産することになる。わたしはその現実をいやというほど見てきている。

そうなるよりも【予知倒産】の道を選んで社会復帰を果たし、そのうえで新たに発注するなどの方法で以前の債権者に債務を果たす方がどれほど健全か、と考えることしきりなのである。

詳しくは切迫倒産】【予知倒産】 倒産の二つの様相を参照されたい。

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