元事業経営者にして倒産経験のある内藤明亜の、倒産と闘う!ためのWebサイトです。

倒産が避けられない場合

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(1)倒産とはどういうことなのか

会社の倒産とは、会社というユニットの「経済活動の破綻」による「事業継続の停止(あるいは放棄)」のことです。
その処理の方法が、国に申し出て「破産」を認められるか、私的(任意)に「整理」するか、一切を「放棄」するか、を問わず、です。
また、倒産する場合は必ず、「債務超過」「資金不足」「将来不安」の三つの要件を満たすことになります。
経営者がいかに自分の会社の倒産に思い入れを持とうとも、会社の倒産とは「会社というユニットの経済活動の停止」であると冷静に捉えるべきである、とわたしは思っています。
それ以上でもなく、それ以下でもないのです。
そしてもちろん、倒産は決して犯罪ではありません。

【会社の倒産の原因】

会社の倒産の原因にはさまざまなパターンがあり、一概には整理できませんが、”経営者の能力的欠陥による自動的な破綻”と、”不渡りを食うような他動的な破綻”に分けられます。
わたしが見る限り、経営者は能力的欠陥がある人が非常に多いです。もちろん、わたしも含めて。
しかし、原因がどうあろうとも結果としては「経済活動の停止」を余儀なくされるのです。
原因によって、会社の倒産に「評価の変化」の余地はあり得ません。

【会社の倒産の意味】

不渡りや未収金など他動的な原因であっても、会社が倒産すれば支払いが受けられない「被害者」を作り出すがゆえに、倒産会社は経済的な意味での「加害者」になってしまいます。

また、会社というものは当然のことながら約束ごとで運営されているのですから、会社が倒産するとその約束や契約が破棄されてしまうので、倒産会社は「契約不履行者(約束が守れなかった者)」になってしまいます。
倒産は犯罪ではないものの「加害者」であり「契約不履行者」になることは免れ得ません。

わたしのところに相談に来る方々は、必要以上に加害者として、そして契約不履行者としての「罪の意識」を持っている人が多いです。
わたしもそうでしたのでなにも言えませんが、必要以上の罪の意識はなにも生みませんし、といって軽々しく捉えるべきでもなく、正確に自分の立場を考えていただきたいと思っています。

【倒産会社はどうなってしまうのか】

会社というものの成立には要件があります。
しかるべき登記をして「戸籍」のようなものを得、工場や事務所などの「場」があって、役員や社員という「人」がいて、生産やサービスの提供という「営業活動」をしているわけです。

倒産すると、ほとんどのケースで事業所は明け渡すことになり「場」はなくなります。
給与がもらえなくなれば「人」もいなくなります。経営者も「破産者」になれば「欠格」といって経営者としての資格を失います。もちろん「営業活動」も停止してしまいます。

しかし、倒産にあたってわざわざ手間と費用をかけて登記を抹消する人はほとんどいませんので、登記簿上には残っています。
つまり、「(登記上は)存在はするが(実際には)実在はしない」ということになってしまうのです。
会社の債務は残っているにもかかわらず、請求されるべき会社はなくなってしまうのです。
商法上の時効は五年ですから、倒産を法的に処理しなければ請求され続けるために(といっても請求される「場」はもうないのですが)存在するようなものです。
経営者は個人の自己破産をすると、「欠格(破産者は経営者や役員になれない)」となり、登記上も自動的に存在しなくなりますから、経営者個人に請求されることはあり得なくなるのです。

【連鎖的な経営者の自己破産】

経営者は、会社の借入や取引の保証(リースやローンはもとより、一般的商取引でも保証を求められるケースはあります)をさせられているケースが大変多いものです。
すなわち、借入や取引をするために、経営者が「個人保証」あるいは「連帯保証」しなければならないのです(このふたつの言葉はほとんど同じ意味を持っています)。

それがあるがために、会社が倒産すると(手続きがどうであろうとも)会社の債務責任は経営者個人に移行してしまいます。
そこで、経営者個人の自己破産が必要になってくるのです。
借入比率の高い(営業債務の少ない)会社は、会社の債務のほとんどを経営者た保証しているケースがあります。つまり会社はスルーするだけで、個人の保証によって会社が成り立っていることになります。
これでは何のための会社か分からないではありませんか。
株式会社や有限会社の「有限責任」という概念は、金融機関によって認められていないのです。

そこで、経営者個人が自己破産せざるを得なくなります。
ちなみに、本人(当事者)の申し立てによる破産を「自己破産」と言います。ですから法人の破産も本来は「法人の自己破産」と言うべきなのです。本人以外の申し立ての場合は「第三者申し立て」とか「債権者(申し立て)破産」などと言うようです。

わたしは会社の破産よりも、この経営者個人の自己破産を優先すべきである、と考えています。実体のなくなった会社が負っている債務より、毎日生活しなければならない個人の債務の処理を優先させることは当然です。
以前は会社の倒産処理を放置して、代表者個人の自己破産だけをする運用方法もあったのですが、近頃ではその運用は地方裁判所によって認められなくなっています。ご注意ください。
なお、この処理は、弁護士に委任しなければとうてい個人ではできないと考えてください(カード破産などは個人でもできますが)。ただし、信頼できる弁護士に委任しないととんでもない目に遭うことがありますので、充分に注意してください。

【倒産とはどういうことなのか】

倒産とは、会社が契約をしたことが遂行できない状態でもあります。
しかるに国に申し立てると、支払いの義務をチャラにしてくれるのが「法的処理による倒産」です(任意整理での結果は同様です)。
これはありがたいことではありますが、実は当事者にとっては居心地の悪い決着の方法です。

なぜならば、「本来責任者たる経営者が負うべき責任を国がチャラにしてよい」なんて、よけいなお世話ではありませんか。ありがたいが、そこまでしてもらうのはどうにも、と思ってしまうのです。
では、なぜこのような決着があり得るのでしょうか。

たしかに、憲法では「全ての国民は、健康で、文化的な最低限度の生活を営む」権利が保証されていますので、経済的破綻による生活の不安よりも、憲法で保障された生活を優先してくれるのでしょうが、「借りた金を返さなくてもいい、支払うべき金を払わなくてもいい」というのは解せません。

私見ではありますが、これは「経済的に破綻して税金も払えなくなるのであれば、それらをチャラにしてあげるから、早く税金を払えるようになりなさい」という考え方ではないか、と思えるのです。
つまり、「”会社”や”人”は、税金を払う存在でしかない」と言われているように感じます。であるからこそ、本来当事者が負うべき責任をもチャラにしてくれるのではないでしょうか。

ともあれ、倒産(もちろん個人の自己破産も)は、「権利」のようです。
全ての経営者は倒産する権利を、そして支払い義務をチャラにしていただける権利を持っているのです。

(2)倒産の処理方法

倒産の処理方法とは、債務者(会社及び経営者などが保証した分)の財産を全て換金し、債権者に平等に分配し、その残債務を放棄していただくことをいいます。
誠実に経営をして最終的に破綻したのであれば、それは決して犯罪ではなく再起しやすい方法で解決してあげよう、という精神に裏付けられた解決方法であると考えられます。
これは「法的処理」であっても「任意整理」であっても、基本的には変わりません。さらに会社(法人)だけでなく個人でも考え方は全く一緒です。

倒産会社の処理方法には大きくふたつの方法があります。
ひとつは【法的処理】で、裁判所(地方裁判所)にその最終処理をお願いする方法です。
もうひとつは、【任意整理】で、経営者が弁護士を雇って最終処理を進める方法です。

俗に「倒産四法」と呼ばれる倒産に関する法律がありますので、もっとたくさんの処理方法があるようにお思いの方も多いのですが、「会社更生法」や「特別清算」や「民事再生法」は「倒産回避(事業継続)のための法律」(再建型とも呼ばれます)ですから、実際には「破産法」という法律ひとつしかないのです。

新聞紙上でよく見かける「会社更生法」や「特別清算」は、わたしのところに相談に来るケースではほとんどありません。あったとしても「民事再生法」(旧和議法)が少しだけです。
くどいようですが、それも”倒産処理”ではなく、”倒産回避処理”なのです。
詳しくは『事業継続(倒産回避)の方法』をご覧ください
この点くれぐれも曲解のないように注意してください。

以下、【法的処理】【任意整理】について詳しく見ていきます。

【法的処理】

倒産の「法的処理」とは、当事者(経営者)が会社の事業を終わらせるにあたって、当事者間(債務者=経営者と、債権者=未払先と借入先)では解決できなくなった場合に、裁判所に「法人の破産」を申し立てて解決することを言います。
裁判所は「破産管財人」(弁護士が任命されます)を立てて、その中立的な第三者に当事者間の債権と債務をきれいに解決させます。
この法的処理は、多くは当事者(経営者)が申し立てをしますが、希に債権者が申し立てを行う場合もあります(その場合の申し立て費用は債権者が負担することになります)。

倒産の「法的処理」についてのさらに詳しい内容は、以下の項目をご参照ください。
→「法人の破産」の具体的処理

【任意整理】

倒産の「任意整理」とは、債務者(経営者)が「法的処理」の「破産管財人」に当たる人(これも弁護士の場合が圧倒的に多い)に委任し、その弁護士が債権と債務をきれいに解決することを言います。
(この場合、裁判所は介しません)
この任意整理には、「反・法的処理」という意味合いで、倒産処理の一種である「放置(一切の処理を放棄する)」や「逃亡」もインクルードされるようです。

倒産の「任意整理」についてのさらに詳しい内容は、以下の項目をご参照ください。
→「任意(私的)整理」の具体的処理

【倒産処理の選択】

どの倒産処理方法を選択するかは、基本的に大変難しいと考えてください。
会社の「債務状況」や「連帯保証環境」あるいは「債権者の質」などの要因が微妙にからむので、大変に難しい選択になります。

少なくとも、弁護士の安易な方針に従うことだけは避けるようにしてください。
聞くところによると、再建できるのに弁護士の方針により会社を潰された方もいますし、債権者とすぐに手を打って債務者にとって不利に働くような方向にもっていく弁護士は多いものですから。

弁護士は、経営者ではありませんので、経営者の痛みはわからないと考えてください。つまり、職能上安易な方法を選ぶものだと考えた方がいいでしょう。
わたしには、債務者にとってダメージの少ない方法で、なおかつ債権者への迷惑を最小限にする方法をアドバイスするようにしています。

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