※ このエントリーは、2012.12.1.に作成したものだが、より判りやすくするために2020.4.9.に二度目の修正をした。

〝絶対倒産させない〝というアプローチをしているコンサルタントがいるらしい。
〝絶対に倒産しない方法がある〝というアプローチも見たことがある。

果たしてそのようなことがあり得るのか。

わたしの観測では、絶対にない。
あり得ない。
あり得べからざることだ。

倒産とは、「資金がなくなり、債務(支払い先借入れ先)を残して事業を停止すること」だ。

経営状態の悪化が一定のレベルを超えると、倒産を回避はできなくなる。
その段階になると、債務(買掛金、未払金、、借入金)がどんどん膨れ上がるから、毎月それらの支払いや返済や利払いに追われることになる。
すなわち資金不足、俗にいう〝資金ショート〝だ。

そのような経営状態でも、事業を継続させることは可能なのだろうか?

あるとすれば、〝支払回避〝と〝資金調達〝だ。
いかなる資金ショートも支払いをせずに、あるいは資金があれば回避できる。
もちろん論理的にはそうなるが、果たして債権者が納得同意するのか。どこからその資金を調達するのか。いったい誰が資金を提供するのか。
この話は必ずここで止まってしまう。
回収の可能性のない債権の支払い不能を了解する債権者は存在しないのだ。
回収の可能性のない資金を提供する者は存在しないのだ。

それでは、可能性はまったくないのか?
可能性としては、債権者が支払い停止に納得同意するか(あるいは放棄するか)、無限の資金がある場合である。
しかし、破綻に向かっている段階の企業に、債権者は同意するのか。代表者個人やその家族、あるいは友人知人や親会社が無限の資金を供給し続けるだろうか。
実は、このようなことは稀にあることだ。稀にはあり得るがやはりどこかで続かなくなり破綻することになる(そのような相談を受けたことは再三あった)。
このような場合の破綻処理は凄惨を極めることになるのは言うまでもない。
ある地方都市でのことだったが、本家の依頼の受けて分家の一族郎党のほとんどが連帯保証や抵当権の提供をした挙句に、八人の破産者(個人の破産者)を出したことがあった。

あるいは、突然の電話で大きな発注がある、とか、今まで売れなかったものが突然売れだす、とかが考えられる。
これも、論理的にはありえないことではないが、今までそれがなかったために経営危機に陥っていたのではないか。
それが突然起こるというのか、やはりあり得ないことと断ぜざるを得ない。

よって〝絶対倒産させない〝、あるいは〝絶対に倒産しない〝方法は、存在しない。
事業経営はマジックではないし、超常現象でもないのだから。
そのような事例をたくさん見てきたので、“想えば実現できる”などというポジティブ・シンキングは、わたしはとうてい信じられなくなる。
そう想って、破綻していく経営者は後を絶たないのだ。

そのような方法があるというのであれば、ぜひ聞かせていただきたいものだ。
それがあれば、世の中から倒産は一切なくなるのであるから。