※ このエントリーは2019.6.16.に書かれたものだが、よりご理解を深めていただくために2019.10.19.に修正をした。

経営している会社が「破綻する」「倒産する」と思ったら、まず何をするか。

一般的には、「弁護士に相談に行く」ことになる。

倒産処理に弁護士は欠かせない。
誰に相談しても「弁護士のところに行きなさい」と言われる。
ネットで検索すると、弁護士の広告があふれるほど目に触れる。

破産の申立て代理人は弁護士しか認められていない。
破産申立ての代理権は弁護士にしか認められていないからだ。
地裁に申し立てたいと言っても「弁護士に相談しなさい」と言われるだけだ。

そこで、弁護士事務所を探し出して相談に行くことになる。その弁護士とは初対面であることがほとんどだ。
これが、ごくごく一般的な倒産処理の第一歩だ。

ところが、初対面の弁護士に相談に行っても、おおよそ依頼人の望む対応をしてはいただけないものだ。
Q「母親に借りたお金を返したいのですが」
「それは偏頗弁済になるのでできません」
Q「いくつかの支払先は連鎖倒産の恐れがあるので支払いたいのですが」
弁「それは詐害行為になるのでできません」
Q「倒産後の生活に不安があるので、少し資金を残したいのですが」
弁「自由財産として認められている99万円以上は、できません」
そのうえで、予納金と委任料を聞かされて途方に暮れるものだ。
「(負債総額が一億円を超えているので)予納金は法人で200万円、代表者個人で150万円です」
「申立ての弁護士費用は予納金と同額ですから350万円です」

弁護士に相談に行くことは、[破産の意思が決まった]、と弁護士は解釈するものだから、これらの弁護士の対応は、申立て代理人の対応としては間違っているわけではない。
破産の基本的な運用は上のようであることは間違いはないのだ。

一般的には、[破産の意思]にまだ迷いがあり、そこで弁護士に相談に行く場合がほとんどなのではないか。
にもかかわらず、相談に来たからには[破産の意思]が決まったものとみなして対応してくる弁護士がほとんどなのだ。
「まだ破産の意思は決まっていないのですが」と言っても、ほとんどの弁護士は聞き届けてはくれないものだ。
まあ、[法人の破産]の[申立て代理人]の仕事は、[破産申立書]を書いて地方裁判所に提出し(受理していただき)、決められた破産管財人と(依頼人と一緒に)対応することなのだ。
その仕事の領域には、
・偏頗弁済にならないようにするにはどうしたらよいか。
・詐害行為にならないようにするにはどうしたらよいか。
・計画倒産と言われないようにするにはどうしたらよいか。
などの[破産の意思]決定前の相談は入っていないのだ。
弁護士とは、そういうものだ。

そのような領域は、[破産の意思の決定前]であれば本来は認められることなのだ。
・偏頗弁済は、破産の意思が決まる以前であれば認められる。
・詐害行為も、同様に破産が避けられなくなる前であれば認められる。
・自由財産も、同様だ。
要は、
・破産以外に方法はないと思われる(破産の意思決定)前であれば認められないことではないのだ。
さらには、
・予納金は裁判所と交渉の余地があるし、[少額管財]という運用方法もあるのだ。

ところが、そうした運用を熟知していない弁護士に当たると、一切「No!」と言われてしまうのだ。
おそらくは、
「一切の活動を止めて、会社と代表者個人の持っているお金を持ってきなさい」
と言われることだろう。

そう言われて、当事務所に相談に来られた方はたくさんおられる。
そういう方からおうかがいして、現実的な弁護士対応の実情をわたしが知ることになるのだ。
倒産(法人の破産および代表者個人の破産)は判例が出ないので、対応量の少ない弁護士は、[破産の実際の運用]は知らないから起こることだろう。

少なくとも、
・いくつかの選択肢を説明する。答えは一つではないはずだ。
・望む対応を実現するための方法を説明する。その実現可能性が低くても。
・依頼人の利益(依頼人が不利益に陥ることのない方途)を一緒になって考える。
はしていただきたいと思うのだが、そういう弁護士は圧倒的に少ないのが現状なのだ。
と言って、まったくいないわけではない。
破産の代理人になっていただける(依頼人の味方になってくれる)弁護士とのめぐり逢いは、非常にむつかしいということをどうかご理解いただきたい。

そのような場合には“セカンド・オピニオン”を求める意味でも、当事務所をお訪ねいただきたい。
依頼人の立場を尊重してくれる弁護士を紹介([弁護士(申立て代理人)の紹介])することはできるのです。