計画倒産、偏頗弁済、詐害行為、の疑問

今日は、倒産に際して、最も多くの不安を持たれる3つのキーワード

計画倒産

偏頗弁済(へんぱべんさい)

詐害行為

について解説していきましょう。

[計画倒産][偏頗弁済][詐害行為]には、運用上のガイドラインがない

倒産処理の大原則に、
「倒産時の会社の財産は債権者に均等に配当されなければならない」
というものがあります。

これらのキーワード、[計画倒産(けいかくとうさん)]、[偏頗弁済(へんぱべんさい)]、[詐害行為(さがいこうい)]は、
その“均等な配当に反する“のではないか?
という疑問が湧きます。

実はこの3つには、運用上の“ガイドライン”が
明確には存在していません。

このため、当事者が混乱するのも無理はないのです。

「倒産の意思決定をした」後では問題になる

ただ、はっきりしているのは、
これらの行為が問題になるのは

“倒産の意思決定”をした後でのことです。

単に時系列上で、
“倒産の前に行われた”というだけでは、
“均等な配当に反する”とは言えません。

不渡り手形を食って連鎖倒産になるようなケースでは、
今日不渡りが出て、今日倒産に至るということもありえます。

その場合には、
昨日支払ったことが偏頗弁済になるか?

と言うと、そんなことにはなりません。

なぜならば、
昨日の支払い時には倒産するとは
思ってもいなかったから、です。

そもそも、倒産とは、
資金不足で債務を残して事業継続ができなくなることです。

倒産の最終的な意思決定は、おおよそ“資金不足”になった時です。
資金調達ができなくなって、はじめて倒産という事態が
現実のものになるわけです。

その事態は三か月前のこともあるし、一日前のこともあります。
もちろんケースバイケースです。
それまでは、倒産のことは考えてもいなかった、というようなケースもあります。

倒産の意思決定後は制限される行為

「倒産をすることに決めた」=「倒産の意思決定」の後に行われることは、当然制限され、
具体的には以下のようが該当します。

  • 新たに仕入れを起こして転売する。
  • 在庫品を売却する。
  • 経営者の会社への貸し付けを取り崩す。
  • 特定の借入(特に恩借)の返済を行う。
  • 特定の買掛先だけ支払う。
  • クレジットカードでキャッシングや物を買う

等です。

これらは、「計画倒産」と言われます。
現実的には計画倒産罪というものは存在しませんが、
あえて探せば[詐欺]に充当します。
また、風評として倒産者に重くのしかかります。

破産管財人がついている法的処理では、
「偏頗弁済」と呼ばれ、「詐害行為」と認定されば、
詐害行為取消権の行使によって返却を余儀なくされることもあります。

ですが、繰り返しになりますが、
これらはすべて、“倒産の意思決定の後”に行われたことが対象になるのです。

倒産せざるを得ないと思った(=意思決定)のは“何時(いつ)”なのか?がポイントです。

「その後」ではできないこと(やってはいけないこと)はありますが、
「その前」なら偏頗弁済や詐害行為には抵触しない、と思われます。

現に、破産申立書にその旨を明記し、説明をしたところ、
直前の支払いや返済を認めてくださった破産管財人は
何人もいらっしゃいました。

多くの弁護士は、倒産処理の経験不足なのです

ところが、申し立てる側の弁護士が、
直前に行われたそれらの行為を、
認めないようなケースが多いのです。

弁護士に相談に行かれた方から
そういうお声をよく伺います。

・倒産するべきかどうか、相談に行ったのに、「一切の支払いや返済はしてはいけない」と言われた。
・事業継承を相談しに行ったのに、「倒産以外の選択肢はないので、資金は動かさないように」と言われた。

つまり、弁護士に相談に行った日を、
[倒産の意思決定の日]とみなし、
それ以前に行った行為を
「計画倒産」「偏波弁済」「詐害行為」と判断してしまうのです。

倒産は、それ自体は犯罪ではありません。
地裁は運用(処理)するだけなのです。
犯罪事件と異なり、運用経過が“判例として公表されることはない”ので、
弁護士でも申立て代理人の経験量が少ないと、
現実の運用をご存知ありません。

ですので、申立て代理人の弁護士として、
破産管財人(これも弁護士)と対峙する際に、
詐害行為を指摘されるリスクを負いたくないのです。

依頼者様の利益を最大化するコンサルティングです

当事務所は、相談に来られた方の利益を最大化する(不利益に陥らないようにする)ために、

これまでに、

・店舗や事業所をリースバックなどの手法で確保して、倒産後も事業が継続できた。
・偏頗弁済に抵触することなく、返済ができた。
・事前に相談した弁護士には、詐害行為だと指摘を受けたが、問題なかった。
・倒産後、時効までつつがなく過ごすことができた
・数千万円の再起費用を確保して倒産処理ができた

等、合法的に実現できた方がたくさんいらっしゃいます。

これらは、不可能なことではありません。

申立て代理人の弁護士の紹介をご希望される場合は、
依頼者様に最大限の配慮ができる先生をご紹介しておりますので、
安心してご相談ください。

(初出:2018年12月17日 修正:2021年1月28日)

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