※ このエントリーは、2016年5月4日に三度目の修正をしたものを、2018.8.6.に全面的に改定した。
※ 改定前の『開業企業数と廃業企業数』はそのまま置いておく。
改定した理由は、総務省の[企業統計調査]に基づいて中小企業庁が発表している『中小企業白書』の開業率と廃業率について、数字を大幅に変えたからだ。
中小企業白書2016年では、「日本再興戦略2016」(2016年6月2日閣議決定)でも、開廃業率のKPIとして用いられているため、本分析では当該指標を用いる、と記している。
※ KPIとはkey performance indicator の略で、企業目標の達成度を評価するための主要業績評価指標のことをいう。
下の図の黒色の数字は2014年の発表のもの。茶色のものは2016年のもの。
開業率では多く、廃業率では少なくなっている。ざっと見た感じでは[3.00%]以上の相違がみられる。
これは、いったいどうしたことだろう。
たぶん、2016年6月2日に閣議決定した「日本再興戦略2016」で、開業率10.0%を目指す、と公表した
「日本再興戦略」(平成25年6月14日閣議決定)において、「開業率が廃業率を上回る状態にし、開業率・廃業率が米国・英国レベル(10%台)になることを目指す」と掲げていることが影響しているのではないか。
・ 開業率 廃業率
・ 2014年2016年 2014年2016年
1996年 3.60% 4.7% 5.60% 2.5%
1997年 3.60% 4.2% 5.60% 2.8%
1998年 3.60% 3.9% 5.60% 3.1%
1999年 5.80% 4.4% 6.80% 4.0%
2000年 5.80% 4.9% 6.80% 4.0%
2001年 5.80% 4.4% 6.80% 4.4%
2002年 3.50% 4.1% 6.10% 4.6%
2003年 3.50% 4.0% 6.10% 4.8%
2004年 3.50% 4.1% 6.10% 4.5%
2005年 5.10% 4.4% 6.20% 4.4%
2006年 5.10% 4.8% 6.20% 4.3%
2007年 未発表 5.0% 未発表 4.4%
2008年 未発表 4.2% 未発表 4.5%
2009年 1.40% 4.7% 6.10% 4.7%
2010年 1.40% 4.5% 6.10% 4.1%
2011年 1.40% 4.5% 6.10% 3.9%
2012年 1.40% 4.6% 6.10% 3.8%
2013年 4.8% 4.0%
2014年 4.9% 3.7%
2015年 5.2% 3.8%
しかし、二十年以上続けているデータの算定基準を突然変えてもいいものだろうか。
見た目に、開業率が増え、廃業率が減っても、実態は変わってはいないのだから。
いま、わたしはこの変更をどうとらえていいか、指針を失って呆然としている。