債務を残して倒産に至った段階で、債権者が会社の器具備品や、社長個人の家財道具などが差し押さえられると思っている方は多いが、そんなことは起こらない。

かんたんに差押えができるのは、優先債権である【税金】【社会保険】だ。
これは、会社の売掛先や会社の預貯金を差し押さえにかかる。これは、すぐに実行される。ただし、あればのことだが。
会社名義の賃借の保証金や車両なども差し押さえられることがある。
その他会社の器具備品や在庫などの動産も差し押さえられ得るが、税務署や社会保険庁とトラブルになっていない段階ではほとんど起こらないようだ。
突然、何の前触れもなく差押えになるようなこともない。
かならず、何回かの催告があり最終通告(社会保険の場合には[差押予告通知書])があっても対応しない場合に差押えが起る。

銀行などの【金融債務】やリース、ローンなどは、(根)抵当権を実行するか、連帯保証人のところに取りに行くことになる。
ただちに動産などの差し押さえはない。

その他、事業上の買掛金や外注費などの【一般債権】は、一般的には差押えなどはできない。
取引契約に動産などの抵当権設定があったり、売掛金を差し出すような契約があれば別だが、そのような契約は小規模零細企業の場合にはないものだ。

ただし、裁判沙汰になっていて【判決】がとられていたり、【公正証書】がとられている場合は差押えはあり得るが、そうしたことがなければ一般債権者が会社や社長の財産を差し押さえることはできない。

会社の債務に、社長(代表者)の連帯保証があれば、社長個人の財産が差し押さえられ得ると言わざるを得ないが、実際にはあまり見たことはない。

つまり、差押えは、【税金】【社会保険】の滞納があれば起り得るが、それ以外の一般債務に関しては裁判で【判決】がでていたり、【公正証書】がとられていなければ起き得ない、と考えていいだろう。

ある日突然、執行官が家にやってきて家財道具に“赤紙がべたべた貼られる”というのは、あり得ない。
そうした風聞は、かなり以前にはあったとも聞くが、一種の都市伝説なのだろう。