倒産する者だって人だから、倒産の後も生きていく。
会社は事業停止すれば死んでしまうようなものだが、人はそうはいかない。
あたりまえのことだが、倒産後も経営者は生きていくのだ。

しかし、倒産者の再起は非常に難しいのが現実だ。

倒産とは、債権者を残して事業停止すること。

この言葉の中に再起の難しさが含まれている。
・ひとつは、債権者(被害者)を残してしまうことだ。
・もうひとつは、事業を停止することで経済活動から離れること(収入がなくなること)だ。

◆ 経済活動から離れること(収入がなくなること)の問題

倒産すると、その日から収入がなくなってしまう。
会社の最後は給与も取っていなかったというような代表者でも、会社の経費があるから何とか生きていられたという面があることは多いが、収入(給与報酬)だけではなく、会社の経費でまかなわれていた部分も使えなくなってしまう。

[法人の破産]の手続きに入れば、会社そのものが申立て代理人の弁護士の支配下になるので、会社のお金の管理はその弁護士に引き継がれることになる。そして、そのお金は最終的には破産管財人に引き継がれるので、破産管財人と同様のチェックが入るので、会社にお金があってもほとんど自由には使えない。
このことは、申立て代理人の弁護士が入る前ならば、ある程度の自由度はあることを意味している。とはいいながら、[偏頗弁済]や[詐害行為]というハードルが全くないわけではない。
この問題は大変デリケートので、ここではこれ以上は書けないが、認められる限り最大限の資金確保努力はすべきだろう。

・倒産後の生活費の捻出

それでは、倒産社長は事業停止した直後はどのように暮らすことになるのか。

倒産の前に個人財産が一定程度以上確保できていればそれで暮らすことになるが、現実的にはそんな経営者は少ない。
倒産した会社以外からの収入があればそれは使えるが、その代表者が個人の破産を控えていればそれもできない。
倒産の前に“会社のお金”を確保することが考えられる、この具体的な方法は[詐害行為]のルールに引っかかってしまうので、ここには書けないノウハウがあるのだが、それが実現できた経営者は当面はその蓄えで暮らせばいい。

さらにその家族に“貯え”があれば、その取り崩しで当面をしのぐしかない。
友人知人の支援があれば、それに甘えて食いつなぐことになろう。

倒産後に、収入が全くなくなってしまうのでは、次なるステップがおぼつかないことだけではなく、当面の生存も危うくなるのは自明のことだ。
そうなることに対する不安があるから、瀕死の状態でありながらも会社を維持運営してきたという経営者もたくさんいらっしゃった。

倒産すると収入がなくなる。
その状態で倒産処理を行わなければならない。
それは、とりもなおさず蓄えがなければ倒産処理もおぼつかない、ということになる。
倒産後に誰かに資金援助してもらえればいいが、そうでなければ倒産する当事者がある程度の資金を持っていなければならないことになる。

そうなってしまうのは倒産の局面が【切迫倒産】になるからに他ならない。
トラブルを残しそうな債権者は倒産前に解決しておき、金融機関など連鎖倒産のおそれのない債権者だけ残すような【予知倒産】の方法が選べれば、債務を残してしまう重圧は少しは解消できるものだ。
【切迫倒産】と【予知倒産】倒産の二つの様相 を参照されたい。

そのための方法は、倒産の“早期発見”であり、“早期対応”以外にはないのだ。
時間があれば、方法論も発見でき、対応方法も自ずと備わってくる。

当事務所は、倒産者の再生再起のお手伝いをしています。
相談に来ていただければ、対応策は発見できるものと思います。