※ このエントリーは、2016年2月15日に作成したものだが、正確を期するために2016年9月15日に修正を行った。

先に、『倒産の判断はいつするのか ① (倒産時の二つの様相)』を書いた。
そこでは、
◆【切迫倒産】最後までがんばるタイプ(希望の少ない倒産)
◆【予知倒産】少し早めに諦めるタイプ(可能性の残る倒産)
の違いについて触れた。

ここでは、◆【切迫倒産】最後までがんばるタイプ(希望の少ない倒産)に起きがちな問題について触れる。

このところの相談や問い合わせでは、
・偏頗弁済(へんぱべんさい)
・詐害行為(さがいこうい)
・優先債権
などについてが多くなっている。

実際問題として、(申立て代理人の)弁護士に相談しても
・払いたいところに払えない
・返したいところに返せない
・最後の資金を税金や社会保険に持って行かれた
という声も多い。

たしかに、倒産処理の原則として
[倒産の意思決定をした後は、会社のお金を特定のところに返済したり支払ってはいけない]
・それは偏頗弁済に当たり、詐害行為として管財人に否認され、返還される
・これに従わなければ、免責にならない
というものがある。

しかし、倒産に際して
・払いたいところに払いたい
・返したいところに返したい
・優先債権の税金や社会保険を優先されたくない
という局面のよくおこることも事実だ。

それでは、どうしたらそれが実現できるか。

わたしは常々、[半年早ければ]と言い続けている。 

半年ほどの時間があれば(申立て代理人の弁護士にもよるが)、
・払いたいところに払うことも可能
・返したいところに返すことも可能
・優先債権の税金や社会保険を優先されない

ような方法はあるのだ。

具体的には、
・第二会社などで事業の一部の継続の可能性はある
・金融機関に返済する分を他にまわせる
・連鎖倒産しそうな外注や下請先に支払える
・社員に解雇手当の一か月分が支給できる
・倒産後の生活費が確保できる
などの処置も可能になるというものだ。

もちろん、詐害行為や偏頗弁済のハードルはあるので、すべて満足のいく決着にはなる保証はないのだが、半年ほどの時間があれば実現の可能性は高い。

しかし、[今月資金が枯渇する]、[税金の未払いがあり差押えが来た]という段階(すなわち【切迫倒産】)になっては難しいのだ。
よって、[半年早ければ]と言い続けなければならないのだ。

倒産について最も重視しなければならないことは、
倒産処理の後の生き方
なのだ。 

倒産はゴールではない。
倒産は単なる[曲がり角]なのだ。
その曲がり角をうまく曲がり、その先に新たな道を見つけなければ倒産する意味はないのではないか。

そのためには、
◆【切迫倒産】最後までがんばるタイプ(希望の少ない倒産)
であってはならない。

どうか、半年ほどの猶予を持って
◆【予知倒産】少し早めに諦めるタイプ(可能性の残る倒産)
の段階で相談に来ていただきたいと心から願っている。