※ このエントリーは、2014年4月21日に作成したものだが、より正確を期すために2014年9月23日に修正した。

法人(会社)の破産では会社がなくなってしまうので、一切の現預金を残すことはできない。
個人は生きていかなければならないので、現預金の保有が認められている。

新破産法の規定では自由財産分として[99万円までの現金]と、[預貯金のうち20万円まで]は持てるが、それ以上の現預金は持てないことになっている。平成17年1月1日より。
すなわち、合計で119万円以内

基本的には自己申告。
破産管財人が自宅に来て換金できそうな家財道具を調べるようなことはない。
何百例も見ているが、そのようなことをする破産管財人は一度も見たことはなかった。

この改正前は66万円までだったそうだ(わたしの記憶では[20万円まで]だったのだが…)。
そのさらに前は一切の現金は持てなかった。わたしの破産時はこの段階。
当時弁護士に聞いたところ、裁判所に行ったところ事務官に「そこでぴょんぴょん飛んでみなさい」といわれ、ちゃりんちゃりんと小銭の音がするとその小銭も没収されることもあった、とのことだった。
帰りの電車賃も持てなかった、ということがあり得たのである。
その当時は、倒産者破産者には人権がなかったということだろう。

ここで、誰しも大きな疑問にぶつかるはずだ。
[優先債権]との優先順位はどうなるのか。
すなわち、[税金]を払わなくてもこの[自由財産]が確保できるのか。[社会保険]を払わなくてもこの[自由財産]を確保してもいいのか。社員の給与[労働債権]を払わなくてもこの[自由財産]を行使できるのか。

弁護士に聞いたところ、答えは「できる」とのことだった。

ただし、「どう考えても破産管財人や裁判官から不評を買うことになるので、全額を申し立てるのは見たことがない」、と述懐していた。

さらに、その119万円以外にも合法的に確保する方法は、ないことはない。
ひとつは申立て前処理の段階で法人の財産を換金して保有する方法で、もうひとつは個人財産を確保する方法だ。

そのキーとなるところは、時間なのだ。
直前に行えば破産管財人に[詐害行為]として否認されて返還させられることになる(申立て代理人の弁護士もカバーしてはくれない)。
しかし、申立てのかなり前に換金したものであれば否認されることはない。
もう一つのキーは、申立て代理人の弁護士と破産管財人のチェックをくぐり抜けることだ。

が、ここに具体的な方法は明記できない。
その方法は、相談に来ていただくしかない。

わたしが見た最高例は、3,000万円の現金を持って倒産した例があった。
倒産後、豪華客船でイタリアにオペラを見に行った倒産者の例もあった。
こうした例は、債権者には極力迷惑をかけずに、[申立て前処理]に相当の時間をかけて倒産処理したことは言うまでもない。