※ このエントリーは、2014.5.13.に作成したものだが、より判りやすくするために、2018.2.25.に四回目の修正をした。

[申立て前処理]とは、申立て代理人の弁護士が法人の破綻処理を受任した後で、地裁に破産申し立てをするまでにやるべき作業を意味する。
この作業は
・[少額管財]の適用を促す
・[偏頗弁済]および[詐害行為]に抵触しないよう
という目的で行われると理解していいだろう。

倒産のステップには三段階あることは別のエントリー[倒産の[Xディ]、三つのステップ]で触れた。
第一段階:事業を止める日
第二段階:代理人(弁護士)の介入(債権者への連絡)
第三段階:地方裁判所への破産の申し立て(この後に破産管財人が任命される)
この第三段階までの作業である。

破産の意思を決めた段階では、かなりの会社が[偏頗弁済]や[詐害行為]に抵触している可能性がか高いものだが、それを破産管財人に指摘されないような環境にすることが重要になる。
これは、第二段階前にしなければ、申立て代理人の弁護士であっても認められなくなるものだ。

さらに、予納金の納付金額が決まるのは、第三段階の地裁に申し立てた段階である。
よって、第一~第二段階で、[少額管財]が適用されるような処理(申立て代理人の弁護士による申立て前処理)をしておけば、少額管財が実現化するというものだ。

これを[申立て前処理]という。

その具体的な作業内容は、破産管財人の作業領域を軽減することにある。
・売掛金の集金など会社の財産(債権)の換金
・会社の債務の把握(債権者一覧の作成)
・会社の事業所などの撤去(これは場合によっては時間も費用もかかる)
・その他

これらができてはじめて少額管財の申立てが可能になるのだ。
この申立て前処理は、破産管財人の作業領域の軽減に他ならないように見える。
経験量があり、有能な申立て代理人の弁護士がいれば、それほど難しいことではない。

しかしながら、それができずに多額の予納金を前に法人の破産ができず、さらには少額管財の実現も出きずに、“放置、逃亡”がたくさん起きている。
それは、ひとえに破産の意思決定が遅すぎるか、対応する申立て代理人の弁護士次第になっているのが現状なのである。

申立て代理人の弁護士が、第一~第二段階で、[少額管財]が適用されるような処理(申立て代理人の弁護士による申立て前処理)をしてくれるかどうか、なのである。
しかし現実には〝役立たずの弁護士〝は多いので、少額管財が認められず正規の予納金を要する[管財事件]になるケースが多い(その金額を聞かされて放置逃亡に至るような)のだ。
管財事件の最低金額は、負債総額5,000万円以下で、[法人が70万円]、[代表者個人が50万円]で合計[120万円]もかかってしまう。
[少額管財]であれば、[法人個人合わせて20万円](地裁によっては30~50万円かかるばあいもある)。

地裁によっては少額管財の運用がないところも、申立て前処理ができていれば予納金を大幅に減額してくれることもあり得るので(破産の運用はかなりの部分が地裁の裁量にゆだねられている)、小規模零細企業の倒産処理にはこの申立て前処理が不可欠だと考えた方がいい。

倒産処理の相談に弁護士事務所を訪れて、[少額管財]の適用が認められない場合、あるいは上にあるような申立て前処理ができなかった場合は、委任しないことをお勧めする。
小規模零細企業にとっては、その後の再起に関わる大問題なのだから。
そのような事態に至った場合には当事務所に相談していただきたい。わたしは放置逃亡だけはどうしても避けていただきたい、と願っているのだ。

[放置逃亡]では、現実的な再起がたいへんに困難になってしまうのだ。

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