倒産はどうしても経済的な被害者が出てしまうが、それだけでは犯罪ではない。

そのために、倒産にかかわる明確な犯罪(詐欺など)があったり、被害を被った債権者が訴えて警察が受理したりしない限り、警察が動くようなことはない。

法人の破産処理でも、任意整理でも経営者(代表取締役)の責任が問われることはあるが犯罪として裁かれるようなことはない。
今まで倒産処理を何百例も見ているが、わたしは見たことも聞いたことももない。

小規模零細企業の場合は、破綻したら代表者に経営的な意味での道義的責任があるといわれるが、だからといって連帯保証していない限り経済的な責任を負うこともない。
もちろん、銀行借入れやリース、ローンなどの金融債務では連帯保証をしている場合がほとんどなので、連鎖的に個人としても破産することがほとんどだ。つまり、破産することで責任を取っているのだ。
当然のことながら債権者に対する説明責任はある。
それは債権者集会や債権者に対する説明会の場で説明することになる。それが道義的責任ということであろう。

では取締役(役員、いわゆる平取)の経営的責任はあるのだろうか。
これも、代表者と同様の道義的責任はあるだろうが、連帯保証をしてない限り経済的な責任はない。

よく質問を受けるところだが、代表者の家族(妻など)と同様に経済的責任はないのだ。
よって、倒産直前に取締役を退任したり、奥さんと離婚を考えたりする方があるが、その必要は全くないことは理解していただきたい。

経済的被害を被った債権者には納得がいかないところだろうが、会社(法人)は倒産するとなくなってしまうのだ。
存在しなくなった会社には責任はとれないし、連帯保証していない限り代表者も単なる取締役も代表者の家族も責任のとりようがなくなってしまうのだ。

ただし倒産の事態は、債権者に対して支払いや返済の約束が守れなかったことからは免れないので、決して胸の張れることではない、ことは言うまでもない。