※ このエントリーは、2013年8月1日に作成したものだが、より判りやすくするために2017年3月28日に三回目の修正をした。

[法人の破産]の運用は[管財事件]と呼ばれるものが普通で、負債総額によって[予納金]が決められている。
最小規模は、[負債総額5,000万円以下]で、[法人の破産の予納金70万円]と[代表者個人の予納金50万円]の[合計120万円]かかることになっている。
この運用が高額で、時間がかかるためにより簡易な運用方法として[少額管財]という運用方法が東京地裁によって開発された。

この[少額管財]は、破産管財人はつくものの(法人の破産では破産管財人がつかない運用はない)費用も予納金が法人と代表者個人をセットで20万円程度と安いし、簡易な運用なために、小規模零細企業の倒産処理としては最も望ましい形といえる。

しかし小規模零細企業のすべての法人の破産が少額管財を適用されるるわけではない。
では、小額管財が実現するための要件はどのようなものか。

① 少額管財の運用を採用している地方裁判所に申し立てる。
まず少額管財は全ての地裁では採用していない、ということに行き当たる。
つまり少額管財を採用していない地裁には申立てられないのだ。
東京地裁は少額管財に積極的だから、東京地裁で申立てすればかなりの確率で少額管財は実現するが、地方の案件を東京地裁に申し立てるには、いくつかの条件があってそう簡単ではない。その条件とは以下のようなものだ。
・債権者にその地方の事業者が多く含まれていないこと。
これは債権者集会は東京で開かれるので、そのために上京させるリスクを事業者に負わせないようにする配慮と思われる。
とくに[個人事業者]が含まれていると適用されないで、「その地方裁判所で申し立てしなさい」と指導されるようである。
そうならないためには、[申立て前処理]でその地方の個人事業者への支払いを完了しておいて、債権者一覧に載せない状態にしておかなければならないのだが、それは[偏頗弁済]に抵触し[詐害行為]とみなされる恐れがある。
それを回避するための方法はないことはないが、ここでは記せないので相談に来ていただくしかない。

②運用を熟知した弁護士を申立て代理人にした申立て。
東京以外の地方都市の会社が東京地裁に申し立てができるかという点だが、いくつかの条件が満たされた上に、弁護士を申立て代理人にすることが要件になっている。
もちろん、その弁護士が少額管財の運用を承知していることがこの要件には含まれているようだ。

③申立て前処理ができていること。
そうなると、東京以外の弁護士会に所属している弁護士が東京地裁に申し立てるというのは相当にハードルが高いということになるかもしれない。
さらに、[申立て前処理]がちゃんとできるか、という更なるハードルがある。
[申立て前処理] を参照されたい。
これらについては、上のリンク以上のことは当事務所に一度相談に来ていただければ詳細に説明できるが、ここでは難しい。
破産管財人の作業量がかなりあると思われると、少額管財ではなく[管財事件]として扱われ、予納金はぐんと増えることになる。
その場合の予納金額は [倒産の費用(予納金)] を参照されたい。

申立て前処理とは以下のような要件を指す。

・簡易な処理ができる状態での申立て。
少額管財は破産管財人がつく運用だ。
その破産管財人(申し出のあった弁護士から地裁が任命する)の費用は予納金から出される。
つまり、弁護士が20万円程度の費用で受けられるような簡易な形になっているかどうかが最大のポイントとなる。このことは弁護士という人種が20万円でどれだけのことをやってくれるか、ということだと理解されたい。
もしも破産管財人の作業量が多いと思われると、地裁の方針として予納金の20万円が30万円になったり50万円になったりすることがある。昨年あたりから出てきた運用方法である。
[不動産の処分]、[在庫の処分]、さらに[事業所の撤去]などがその条件となる。
それらの申立て前処理を完了させるために、[事業停止]ののちかなりの時間がかかる場合がある。わたしが見たケースでは事業停止後半年近くかかったこともあった。
さらに、作業量がかなりあると思われると「少額管財では受け付けられないので[管財事件]として申立てなさい」と指導されるようである。そうなると、予納金はぐんと増えることになる。

要は、少額管財の運用を実現するためには、破産管財人の作業量を減らさなければならなくなるのである。
そのためには申立て代理人の弁護士に [申立て前処理] をしていただき、破産申し立て段階では破産管財人の作業量を少なくしておくことが最大の要件となる。

このことを、費用の点で見ると以下のようになる。
・[管財事件]の予納金 + 並みの申立て代理人を雇う
・[少額管財]の予納金 + 申立て前処理の行える申立て代理人の弁護士費用を雇う
トータルでは後者のほうがはるかに安くつくだろう。

倒産の費用(弁護士費用)については 、こちらを参照。

弁護士の紹介については 、こちらを参照。