民事再生法の目的は、第一条に
「この法律は、経済的に窮境にある債務者について、その債権者の多数の同意を得、かつ、裁判所の認可を受けた再生計画を定めること等により、当該債務者とその債権者との間の民事上の権利関係を適切に調整し、もって当該債務者の事業又は経済生活の再生を図ることを目的とする」
とある。

この条文からわたしが読み取ると以下のようになる。

「経済的に窮境にある債務者」
これは、倒産の危機にはあるが、倒産はしていない状態と読み取れる。
ほとんど倒産状態の会社もあるだろうが、まだ倒産状態には至っていない会社もある、ということだ。

「債権者の多数の同意を得、かつ、裁判所の認可を受けた再生計画」
これは、再生計画は債権者と裁判所の同意が最重要としていることで、ここには社員や株主の意思は反映されないということで、あくまでも債権者の同意を最優先しているのである。

「当該債務者とその債権者との間の民事上の権利関係を適切に調整」
これは、民事上の権利関係が適切に調整されれば事業継続を認める、ということで、つまりは債務の切捨てを意味している。

「当該債務者の事業又は経済生活の再生を図ることを目的とする」
これは、倒産することなく事業の継続のことである。

これらのことから、民事再生法の精神は、主に債務超過で経営危機に陥った会社が再生するために、それらの債務を債権者が一定のカットに応じるならば、経営の継続を認めてあげようというものだと読み取れる。

にもかかわらず、これを事実上の倒産とみなし、倒産処理法と位置づけるのはどう考えても間違っていると思うのだが、どうだろうか。
債権者の協力(と裁判所の認可)の元に事業を継続する場合は、倒産とは呼べないというのがわたしの解釈だ。
せめて、〝経営危機の救済〝あるいは〝経営危機からの脱却〝と呼称してほしい。

わたしの倒産の定義から見ても、どうしても承服できない。
〝事実上の倒産〝と、〝経営危機の救済〝あるいは〝経営危機からの脱却〝とでは、経営危機状態にある事業体を運営する者にとっては、天と地ほどの違いがあるからである。

以上は、『別冊宝島Study1629 倒産したらどうなる?どうする?』(宝島社 2009.6.15.880円)を読んでの感想である。
実はわたしも原稿を寄せているのだが、どうにも承服できなくなったので、ここに記しておく。