以前の依頼人(相談者)は、〝なにがなんでも倒産させたくない〝という意欲に満ちていた方が多かったように思う。

わたしから見て、事業の継続は到底できないような財務状態で、一般管理費をどう削っても営業利益をだすことができないことが一目瞭然であっても、〝倒産は避けたい〝という意欲を示す依頼人が多かった。
そういう依頼人には、このまま事業を継続すると必ず資金不足(資金ショート)が起こり、その後にどのような事態に至るかを諄々と説明し、倒産についてのいわれのない恐怖感を取り除き、事業の継続意思を断念していただくことに汲々としていた。

このごろは、シビアな経営環境に疲れ果てて、〝早く楽になりたい〝という意思を明らかにされる方が多くなっているように思う。

将来的には大いに不安はあるが、ここしばらくは事業の継続ができないことはない、というような段階に見えても、なかなか意欲が高まらない。
・売上金額の減少。
・利益金額の減少。
・一般管理費の削減努力。
・金融機関との消耗戦。
・従業員の意欲維持。
・など、など。
これらと毎日、毎月、毎年対面していると、どうしても疲労感が蓄積してきて徒労感になり、虚しくなってしまうのだ。

無理もない。

わたしはこういう依頼人には無理に事業の継続は勧めないことにしている。

この傾向は、たしかに年々増えているという印象がある。
むろん、今までにもそうした意欲のない依頼人はいたし、今も無謀なほどに意欲的な依頼人もいる。

しかし、疲れ果ててしまった事業経営者に、今までと同じように馬車馬のように働けとはわたしには言えない。
倒産して、次のステップが今までよりも経済的に苦しくなろうとも、先の見えない事業の継続に腐心するよりも気持ちの安寧を感じることはできるのだ。