会計士とは、公認会計士と税理士の総称だという。以下、会計士と呼称させていただく。
この会計士は、果たして頼りになる存在だろうか。

事業経営者にとって、決算税務をやってもらうので会計士は経営がわかっていると思いがちだ。
ついつい経営に関する相談をしかけることが多いはずだが、満足のいく回答を得たことはあるのだろうか。
わたしは、十五年にわたる経営経験の中で、会計士を何回か替えたが、経営に関しては役に立つ意見を聞いたことはない。

そもそも、会計士になろうという気持ちを持っているということは、経営志向とは正反対のモティベーションだと思う。
具体的に言うと、会計士は、自らを経営の真ん中に置いて[資金繰り]、[人材育成]、[得意先との折衝]、[事業の将来性を測る]というような志向を持っているとは思えないのだ。
稀にそのような志向を持った会計士もいることだろうが、わたしはお目にかかったことはない。
経営マインドがあれば、そもそも会計士になろうとは思わないはずではないか。

会計士にとっての第一優先順位は、自らの顧問先との顧問契約の継続(顧問料の増額)だろう。経済原則でいえばそうなるはずだ。
その会計士に経営上の相談をしかければ、上の目的をはずすことをアドバイスすることは考えにくい。

次なる優先順位は、顧問先の業績をあげさせることだろう。
売上の無限拡大、利益率の無限上昇。すなわち、無限拡大再生産指向。
わたしのお付き合いした会計士の全てがそうだった。

会社の業績が上昇期であれば役に立つこともあるだろうが、停滞期、もしくは下降期にあっては役に立つ意見は聞けないだろうと思う。

わたしがお会いした会計士の方々は、資格を取得すれば将来的に安定するという考え方が支配的であった。
わたしの会計士に対する希望は、決算税務を通してその会社の将来的な可能性(よくなり得る可能性も悪くなり得る可能性も)を正確に導き出し、それに対する施策を一緒に考えていただけることだ。
経営者としてはその思いがかなわないのでずっと失望していたものだ。
経営危機コンサルタントになってからも会計士にはわたしの意見をぶつけ続けたが、あるところ以上は「それは経営者が判断すべきことでしょう」という言葉が一様に返ってきたものだ。

おそらくは、そのような志向ではなくアグレッシブでイノベイティブな会計士もいらっしゃることだろうが、残念ながらわたしはお会いしたことはない。