経営者団体は果たして頼りになるか。

わたしは、地方経営者団体(商工会、商工会議所、法人会)や地方同業者経営者組織(同業界団体)から[講演]や[相談会]、[勉強会]などに招かれることが多いのだが、おおよそのところは頼りないのが実情である。
もちろん、頼りになる団体もあることは承知しているが、めったに遭遇しないというのがわたしの印象だ。

なぜか。
その原因は、そうした団体の担当者は経営経験がないものが多い、という一点にかかっているのではないか。と捉えている。

経営相談は、経営経験のある人が対応した方が有効であることは自明だろう。
ところが、地方都市などの経営経験の豊富な人は、おおよそその地方の成功者で、名士だ。そんな人が経営相談に対応するわけがない。
それでは、経営に失敗した経験者が対応することがあり得るか。現実的には、失敗した経営者に経営の方法を聞くという習慣はこの日本にはない。…わたしは、この方法がもっとも有効だと思っているのだが…。

そこで、大学で経済学や経営学を修めた者が担当者になるようなことが多い。
よって、頼りにならない経営相談員などが存在することになるのだろう。
これでは、有効な経営相談ができるわけはない。

わたしは、ある市の商工会議所の経営相談員の研修に参加したことがあるが、そのレベルたるや惨憺たるものであった、といわざるを得ないものだった。
こうした団体が、有効な経営相談を実現するためには、経営に失敗した元経営者をしっかり研修してこれにあたるようにすることが最もいいとわたしは考えているのだが、いかがなものだろうか。

ちなみに、経営経験があるほうがいいと思う要素(経営相談員たる者が経験した方がいいと思う要素)を以下に七つ挙げておく。
・欠損の決算に際し、それを利益あるものにするための改竄をした(試みた)経験がある。
・融資などに関して連帯保証人(担保の提供)を求められた(実際になった)経験がある。
・金融機関に提出する[事業計画]を書き、金融機関に説明した(拒絶された)経験がある。
・資金繰り上、経営者自身より社員の給与を優先した経験がある。
・取引先から支払延期などの条件変更の要求を受けたことがある。
・社員採用の面接、及び自ら社員教育の経験がある。
・役員や社員の辞意に際し、理由を聞いたり慰留したりした経験がある。
これらの経験は、中小零細企業の経営者は必ず通らなければならない要素だと思う。そうした経験もないまま経営者を指導するというのは、わたしから見れば笑止千万、〝片腹痛い〝ことなのだ。