※ このエントリーは2013.1.28.に書かれたものだが、正確さを期すために2018.9.5.に二度目の修正をした。

[倒産]は法律用語ではないが、[破産]は本来は法律用語なのである。

さらに、法的手続きとしての破産には[法人の破産]と[個人の破産]があることがこの用語をわかりにくくしているように思える。

[倒産]という言葉は、個人に使われるよりは会社(法人)に対して使われることが多い。
会社(法人)が事業を継続できなくなって、債務超過で(すなわち被害者を出して)事業を停止することを意味している。
一般的には、「あの会社が倒産した」とは使うが、「あの人が倒産した」とはあまり使われないように思う(言葉としては間違ってはいないのだが)。

「あの会社が倒産した」というのは、会社が事業を停止し世の中から消滅することを指す。その場合に、法的処理をしたものかそうではないかは問われない。
法的処理をしたのであれば、「あの会社は[法人の破産](という手続き)をした」ということになる。この場合、会社が地方裁判所に[法人の破産]を申し立てて、[破産決定]が出たことを意味することになる。
ただし、一般的には法的処理をせずに[放置逃亡]や[任意整理]の場合にも[倒産]という言葉を使うことは当然ある。
どちらにせよ、[倒産]とは事業を停止し会社がなくなってしまうことを指す。

一方[破産]のほうは個人にも法人にも使われることが多い。
つまり、「あの会社が破産した」とも、「あの人が破産した」とも使われる。

個人の場合は会社と違って事業停止し世の中から消滅することはない。
法的処理をしようがしまいが、人(個人)は生き続ける。

「あの人が破産した」というのも、「あの人が[個人の破産](という手続き)をした」ということで、個人が地方裁判所に[個人の破産]を申し立てて、[破産決定]が出たことを意味する。

しかし、もちろん、何の処理もせずに放置(逃亡)した場合にも[破産]という言葉を使うことはある。

法的処理で言えば、
個人の[破産]には[免責]があって、破産が認められればほとんどの場合その債務は[免責]されて一切の債務はなくなり、債権者からの請求からまぬかれるのである。

一方、
法人の[破産]には[免責]がないので、(会社はなくなってしまうので)会社のなした契約の一切を解除、破棄してなくしてしまわなければならないのだ。
だから、会社のなした契約のすべてをなかったものにするのは、たいへんエネルギーのいることなので、費用もかかるのだと理解していただきたい。

現実的には弁護士でも、「倒産事件ですね」とか「倒産案件(倒産事案)ですね」などと使うので、あまり厳密に考えないほうがいいとも思われるが…。

ただ、法的処理としての[破産]には、法人と個人があるということは理解しておいていただきたい。

※ 詳しくは、【倒産処理の種類】などを参照してください。