※ このエントリーは2012.12.24.に書かれたものだが、よりご理解を深めていただくために2019.8.3.に二度目の修正をした。

「弁護士や経営危機コンサルタントの無料相談に何回か行ったことがあるが、第一回目では満足な答えが聞けたためしがない」
「会員になることや何回か通うように誘導され、費用が発生しはじめてからようやく核心に触れる話が聞ける」
「内藤さんは相談費用を明示されているので、費用がかかる以上その費用に見合った成果があると思ってうかがいました」
先日、経営危機相談にいらした相談者がおっしゃった言葉だ。

わたしは、他の同じような活動をされている方とは接点もないし情報交換もしたことがないので、“同業者”にことは全くわかってはいない。
この相談者のように依頼人の方から聞かされることが時々あるだけだ。
その都度、少し暗い思いになることが多い。

倒産相談は、弁護士に行くことが常道だ。
それは、破産申立ての代理人は弁護士でなければでなれないからだから、致し方のないことだ。
しかし、弁護士は[申立ての専門家]ではあっても、[経営]のことが判る弁護士はそう沢山はいないのが現状でもある。

わたしには倒産経験があり、その後本を書いてからは倒産相談を900件以上こなしてきたので、倒産に瀕している経営危機の方の思いは痛いほど理解できている。
弁護士は、そこのところが判ってはいない。

最大公約数的特徴としては以下のものがある。
① 経営危機相談をする相手がいない。
② 今ある経営危機がリカバリーできるかどうかが判断できない。
③ どのような選択の余地があるのか、理解できていない。
④ 倒産という言葉は聞きたくもない。
⑤ 倒産後、会社が、事業が、社員や役員が、取引先がどうなるかがわからない。
⑥ 倒産後、家族が、自分が、不動産などの財産がどうなるかわからない。
⑦ 心理的に切迫している。
⑧ 経済的にも逼迫している。
⑨ 債権者と直接対応することは避けられれば避けたい。
⑩ この先どうして生きていけばよいのかわからない。
これらの質問にすべて答え、次に何をすべきかの指針を導き出すことは、弁護士にはできないことだろう。
それをするには、徹底したヒアリングを含めて一時間以上はゆうにかかるものだ。

相談にいらしたその日のうちに、
① 現在おかれている状態を理解していただき、
② 選択すべき余地と、そのうちの最も望ましい選択肢は何かを選び出し、
③ 関係者への影響も全て理解し、
④ いつまでに何をすべきかの行動指針を明らかにして、
⑤ 次のステップに移行するための費用を確認し、
⑥ その先の世界が想定できるようにする。
以上を明らかにしなければならないのだ。これも弁護士にはできないことだ。
もちろん、日程的費用的余力のある方はその日のうちでなくてもいいのだが。

それらをするためには、どうしても一定の費用をいただかなければできないのだ。

わたしは相談料としては[33,000円(消費税込)]をいただいている。原則的には三時間を限度として、北新宿のわたしの事務所に来ていただく場合だ。
これはわたしが内藤明亜として活動しはじめた時に、弁護士や税理士や経営コンサルタントなどと相談して決めたものだ。

その費用を投じても欲しいものが手に入ると思われる方だけが相談にいらっしゃることになる。
この相談料が高く感じる方は来ないことになる。
そう考えなければ、わたしとしてもこの仕事は続けられないというものだ。

相談にいらっしゃる方はおおよそ、ふたつに分かれるようだ。
(A)欲しいものが手に入ると即断して、すぐに相談にいらっしゃる方。
(B)何回も迷い、逡巡し、時間をかけてからいらっしゃる方。
この(B)のパターンの方は、その迷っている間に会社の経営状態(財務状態)をより悪化させてしまうことがよくある。
今までいらっしゃった方の中には、「ここに来るまで三年もかかった」とおっしゃった方もいらした。「その間、何回ホームページを見たか判らない」とも。
実に惜しい、悔しいことだと思わないではいられない。

どうしてよいかわからずに、あるいは弁護士を含め何人かの方に相談してもまだ逡巡が残って、肩を落として相談にいらした方が、納得し安心され、さらに希望も見出して、胸は張れないまでも下を向かなくてもよいとお帰りになる姿を観るのは、わたしにとって大きなよろこびなのだ。

どうか、無償で得られるものは自ずと限界がある、ということを知っていただきたい。