※ このエントリーは、「廃業処理はどうするのか」というタイトルと、「会社の終わらせ方」というタイトルで2013年12月に作成したものが重複するところもあったため、より判りやすくするためにタイトルも改め、2014年4月2日に統一的に修正した。さらに判りやすくするために2018年9月5日に三回目の修正をした。

廃業処理はどのようにするか、会社を終わらせるにはどうするか、についての質問をよく受ける。

事業体(法人化してある会社でも法人化していない個人事業でも。以下は会社と記述する)の決算内容(債務超過かどうか)によって、その処理方法は大きく変わる。

【債務超過かどうか、の見分け方】

決算書の[貸借対照表]の、左側にある[資産の部(流動資産と固定資産)]にある項目をすべて現金化した金額が、右側にある[負債の部(流動負債と固定負債)]より多ければ、[債務超過がない]といえるし、その金額がマイナスになると[債務超過]となる。

このポイントの難しいところは、固定資産の項目が換金しても決算書の数字以下になることがほとんどだ、ということだ。
例を挙げると、買ったばかりのセルシオがあれば[車両運搬具]として[600万円]ほどになるだろうが、会社に名義変更したセルシオは、まったく乗っていなくても売却すれば[300~400万円]にしかならない。
ここで、決算書の数字との開きが[200から300万円]発生してしまう。

会社の廃業を考える場合には、この決算書の資産を現金化した場合の金額が重要となることを忘れないでいただきたい。

【債務超過がない場合】

決算状態が、債務超過になっていなければ、会社を終わらせても債権者(被害者)を出すことはないのだから、
[会社清算]という形で事業を終結させればよい。
税理士に頼んで、処理するだけのことだ。

【債務超過がある場合】

しかし、多くの会社は債務超過になっているので、この場合の事業終結はちょっと面倒になることが多い。
債務というのは、給与や退職金、借入金、買掛金、未払金、預かり金などで、会社の債務が会社の財産を上まわっている場合がこの債務超過である。
この場合は、会社が事業を停止するとマイナスが出てしまうので、債権者が発生してしまう。
債務超過でないと思ってもいざ会社の廃業処理に入ると実は債務超過になっているという場合も多い。
さらに、会社を廃業する場合には会社のなした契約のすべてを解約(破棄)させなければならい。
・雇用契約の解消

・借入れ(融資)契約の解除
・(事業所などの)賃貸契約の解消
・リースやローンの契約の解除
・その他
会社のなした契約はたいへん多いものだ。そしてそのほとんどが債権者になっているという問題も大きい。
そうなると会社の廃業処理は、[清算]ではなく[倒産]ということになってしまうのだ。

これら債権を持った債権者が、債権放棄をしてくれれば問題はないのだが、現実的になかなかそうはいかないものだ。
わたしが見たケースでは、債権の減額に応じる債権者は長年取引してきた買掛先ではまれにあり得るが、未払い先や預かり先は応じないことがほとんどだ。
少なくとも、借入先の金融機関はまったく債権放棄には応じない。一円たりといえども債権放棄には応じないのが金融機関だ。
金融債務の場合、代表者の不動産などが(根)抵当権設定されていたり、代表者などの連帯保証をとられていることが多い。その場合には会社の債務がそっくり代表者などにのしかかってくることになり、連鎖的な代表者個人としても[個人の破産]が避けられなくなる場合がほとんどだ。
しかし、そのような(根)抵当権や連帯保証がなければ、会社の債務が代表者などにかかることはないので、代表者が会社の債務まで肩代わりする義務はないし、連鎖的な個人の自己破産にならないケースもまれにはある。

債務超過に陥った会社の廃業処理は、[倒産]処理にならざるを得ないことがほとんどなのだ。

【倒産処理の方法】

これは、法的処理による[法人の破産]と、私的処理による[任意整理]がある。
詳しくは、先に書いたブログを参照していただきたい。

倒産処理の種類 
倒産処理の種類 [B-a] 法人の破産。
倒産処理の種類 [B-b] 任意整理。
倒産処理の種類 [B-c] 放置逃亡。